日本人の魚食の歴史
日本は、一人当たりの年間魚介類消費量は世界一の国です。豊かな海に囲まれた日本では、魚食の歴史は古く、東京・大森の縄文時代の地層から貝塚が発掘され、当時の人々が貝やアジ、マダイを食べていたことが分かっています。都が京都から海に近い東京に移ってからは、独特な魚食文化が生まれました。
魚食文化への変化
沿岸部では魚食が主流でしたが、日本は元々農耕民族の国です。主に食事は米や野菜でしたが、大きく魚食文化が加わったのは、都が東京に移った江戸時代からです。
東京湾でとれた魚介類による寿司や天ぷら、鰻のかばやきなどの料理が次々と生まれ、消費者が増えるとともに、海鮮物に関わる業種や職人も増えてきました。
魚食が一般的になるにつれ、加工や保存法などもどんどん発達してきました。
今では、寿司は日本の代表的な料理であるとともに、世界中の国々でも寿司料理店を容易く見つけられるほど、愛される料理の一つになっています。
深刻な魚離れ
現在の日本では若年層を中心に魚離れが進んでいます。
家庭の食事に洋食の割合が増えてきたことも理由の一つですが、魚は小骨が多く食べ辛いことから敬遠されるようになってきたことが要因のようです。
実際に魚の切り身の消費量は比較的多いものの、魚を丸一匹使った料理が食卓に上ることが少なくなってきたようです。
東京のみならず、地域ごとに様々な魚食文化が根付く日本の伝統的な魚料理を、絶えることなく次世代へつながえていくことが、日本の漁業と魚食文化を守るために重要となります。
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