世界の魚食の歴史
世界における魚食の歴史は古く、漁業は10万年以上前から行われてきました。ヨーロッパでは現代でこそ肉食中心ですが、18世紀にイギリスで農業の生産力が上がるまで漁業が主力でした。それくらい人類と魚食は古くから密接に結びついているのです。
冷蔵庫がなかった時代・・・
冷蔵庫などない時代は魚はあっという間に腐ってしまいました。そこで昔の人々は、干物や燻製、塩漬けなどの現在も広く利用されている加工法をあみ出し、長期保存を可能にしたのです。
練り物の誕生
さらに現在のトルコ周辺では5000年前に、魚の身をすり潰す調理法(練り物)が用いられるようになりました。
魚食が古くから根付く地中海沿岸
特に地中海沿岸の国々では魚食の歴史が長く、古代ギリシアやローマでは大量の魚を食べていたようです。一般的に出回っていた魚はイワシやニシンですが、マグロやカツオ、カキ、カニ、エビ、クラゲ、チョウザメ、イカ、タコなどを食べていました。
養殖の始まり
古代ローマでは魚の養殖も始まり、8~9世紀頃には、養殖池があちこちに作られていました。キリスト教における断食日は、肉を絶ち魚を食べる日であったことから、各地の修道院でも敷地内の貯水池で様々な魚を所有していました。最も養殖されていた魚は、生命力が強く、移動時に腐りにくいことで知られる鯉でした。
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