イカの産卵について
イカは普段の食卓からお酒のつまみ、すしネタや縁日に焼きイカなど様々な形で利用されています。そんな身近なイカの案外知られていない産卵行動についてまとめてみました。イカと言っても様々な種類がありますが、ここでは代表的な2種類のイカを取り上げます。
アオリイカ
アオリイカは最大で胴長1m程度になるやや大型のイカです。
食べて美味しい高級なイカで、近年は餌木という疑似餌を使った釣りが盛んです。
産卵時期は地域により様々ですが、通常春に産卵期を迎えます。
関東近郊では5~6月頃が最も盛んなようですが、アオリイカの産卵は水温と密接に関連しており、
黒潮の影響が強い和歌山などでは2月頃から産卵が始まります。アオリイカ自体は比較的浅めの海に生息しており、産卵場所も水深20m~30m程度を好みます。
海藻やサンゴの根元などに、一回につき60粒程度の卵を産み付けます。
アオリイカの産卵は、まずカップルが成立するとオスが精子の入ったカプセルをメスの体内に差し入れます。
そしてカプセルがメスの卵巣内で割れることで受精します。
アオリイカのオスは非常に紳士的な行動を取ることで知られ、受精後はメスをきちんと産卵床までエスコートします。
そしてメスが卵を産み終わるまでそっと傍らで見守り続け、産み終わるとまたペアとなってその場を去ります。
ヤリイカ
ヤリイカは最大で胴長40㎝程度とイカとしては標準的なサイズとなります。
食材としては非常にメジャーでスーパーや魚屋さんで目にすること多いイカです。
ヤリイカの産卵時期は春先頃になります。
アオリイカに比べて水深100~200mとかなり深い場所に生息していますが、水温が下がる12月頃になると水深5~40mの浅めの岩礁地域まで上がってきます。
岩棚や洞窟の天井部にゼラチン質で出来た卵入りの袋のようなものを産み付けます。
浅い砂地に上がってくる地域もあり、岸からそれらのイカを狙った釣りが行われています。
基本的にはアオリイカ同様、カップル成立後はオスがエスコートしてメスの産卵を献身的にサポートします。
以上、代表的な2種類のイカの産卵についてご紹介しました。地域により産卵時期や産卵時の行動など様々な例外があるですが、いずれにしてもイカのオスはとても紳士的なようです。人間も見習わないといけませんね。
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