ペットとしてイカを飼えるの?

ペットとしてイカを飼えるの?

水族館やテレビなどでイカを見て、「家で飼ってみたい・・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、ペットとしてイカを飼えるのかについてお話したいと思います。

 

 

家で飼うのはハードルが高い

イカは、海水魚ショップなどで取り扱われていることはあるようです。ただ、十分な飼育環境が用意できない一般家庭で飼育するのは困難と言われています。それは、主に次のような理由があるからです。

 

イカが飼育しにくい理由

1)イカは臆病で神経質
イカには、臆病で神経質な種のものが多く、ちょっとしたことでも驚き、小さな水槽だと高速で遊泳した際などにガラスにぶつかって死んでしまうことが多いと言われています。

 

2)基本的に生きた餌しか食べない
死肉を食べるイカもいますが、基本的にイカは生きた餌しか食べないとされています。このため、餌も生きた海水魚などから選ぶことになりますが、継続的な入手は困難と言えます。

 

3)海水や大きめの水槽が必要
イカは海に棲む生物であり、飼育に海水は不可欠です。海の近くに住んでおられる方ならまだしも、この海水を継続的に入手するのは、費用や手間などを考えると、なかなか困難です。また、今では、水槽も大型なものが増えているようですが、一般家庭だと設置場所の問題があります。さらに、イカを長生きさせるためには、円形の水槽で絶え間なく流れる海水の中で泳がせる必要があるとされていますが、これも一般家庭で実現するのは困難でしょう。

 

4)濾過装置も必要
イカを長生きさせるには、排泄物などによって海水中に増えて行くアンモニアを徹底して除去する必要があり、このためには濾過装置が必要です。ただ、この濾過装置も、一般家庭向けの商品の販売が増えてきてはいるものの、購入にあたっては相応の覚悟が必要となります。 

 

近代動物行動学を確立したと言われるオーストリアの学者で、ノーベル生理学・医学賞の受賞歴もあるコンラート・ツァハリアス・ローレンツ(1903~1989)氏は、人工飼育が不可能な動物としてヤリイカをあげていたほどです。現在は氏の生前よりも飼育技術などが向上しているとは言え、家でイカを飼うのは依然難しく、水族館やテレビなどで見ているだけにしておいた方が良さそうです。

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