コウイカの生息地

コウイカの生息地

イカといっても様々な種類のものがいますが、皆さんは「コウイカ」というイカをご存知でしょうか。

 

ここでは、コウイカとはどのようなイカで、どのようなところに生息しているのかなどについてお話したいと思います。

 

 

コウイカとは

コウイカは、体の中に舟形の硬い石灰質の大きな甲があることから、コウイカ(漢字で書くと「甲烏賊」)と呼ばれています。成長すると、外套背長(がいとうはいちょう。胴体の長さのこと)が15~20cmほどになります。

 

ごく一般的なイカであることから、地方によってはマイカ(真烏賊)と呼ばれたり、また、甲の先端が針のように尖っていて体の外に出ているのでハリイカ、墨をたくさん吐くことからスミイカと呼ばれることもあります。

 

昔は、水に濡れても滲みにくく光にあたっても退色しにくいコウイカの墨の性質を活かしてセピア色のインクを作っていたことから、コウイカの学名にはSepia(セピア)の文字が入っています。

 

生息域

コウイカは、東アジア、南アジア、西ヨーロッパ、地中海、アフリカ、オーストラリアの沿岸など、熱帯や温帯の海に多く生息しています。

 

日本では、太平洋側では東京湾から西に、日本海側では富山から西に、九州地方にかけての比較的浅い海に生息しており、水深100mほどの砂泥でできた海底に多く見られるとされています。餌は、エビ、カニ、魚などを食べています。

 

コウイカは、日本では春になると(地域によって異なりますが、概ね3~4月頃から)、産卵のために浅いところに集まって来ます。

 

コウイカの寿命は1年ほどで、初夏頃まで続く産卵活動が終わりしばらくすると死んでしまいますが、産卵後1か月ほどで、外套背長5mmほどの稚イカが殻を破って出て来ます。ほどなく海底に降りて、ケンミジンコ、ヨコエビ、ゴカイなどを食べて成長し、その後、エビ、カニ、魚などを食べてさらに成長し、翌春には産卵に向けて浅いところへと向かいます。

 

コウイカは、肉厚でむっちりとした身を持ち、噛むほどにそのやわらかな甘味とねっとりとした食感が味わえる美味しい食材ですが、その墨がインクなどの原料にもなるなど、日本だけでなく世界の人々にも親しまれて来たのですね。

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