一瞬で変色!イカの擬態能力の仕組みとは
テレビ番組などを見ていると、動物が体の色や形を変えて周りの景色と溶け込んで見分けがつかなくなる様子が映されていることがあります。
実は、イカも同じようなことができるのですが、これはどのような仕組みによるものなのでしょうか。
擬態とは
外敵から隠れたり餌を捕えたりなどするために、動物がその体の色や形などを周囲の物や動植物に似せることを擬態(ぎたい)と言います。
色については、外敵から隠れる場合の「保護色」が比較的良く知られています。
保護色というと、体の色を自由自在に変えられるカメレオンを思い浮かべる方も多いかと思いますが、イカも同じことができます。
しかも、カメレオンが比較的ゆっくりと体色を変化させるのに対して、イカは瞬時に体色を変化させることができるのです。
イカが瞬時に色を変える仕組み
イカの皮膚には、「色素胞」(しきそほう)と呼ばれる細胞があります。この細胞には、黄色、赤色、黒褐色の色素が含まれています。
この色素胞が微細な筋繊維で四方八方から吊られていて、筋繊維が収縮すると色が広がり、筋繊維が弛緩すると狭くなって最後は点のようになり色が消えます。
死んで時間が経ったイカが白っぽくなるのは、色素胞を吊っている筋繊維が弛緩するためです。色を重ねて中間色を作ることもできます。
イカは、この色素胞により、砂地や石などに擬態しているのです。
また、イカには、虹色素胞というものがあることもわかっています。イカの持つメタリックな輝きは、虹色素胞が光を反射して生まれるとされています。
体色の変化は、カモフラージュや捕食のためだけでなく、敵を威嚇したり異性に求愛したりといったコミュニケーションの手段としても使われているようです。
水族館などでつぶさにイカを観察し、色の変化を実感してみるのも楽しいかもしれませんね。
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