食用にされるナマコの種類
ナマコは世界の海に1500種、そのうち日本近海には200種ほどが生息すると言われていますが
実際に食用とされているのは数種類です。ここではそのうちのいくつかをご紹介します。
マナマコ
全長は40cmほどになります。円筒形をしており、背中にはツノ状の突起が 多数ついています。
口の周りには20本の触手があります。
体色は、赤褐色、 青緑色、黒色のいずれかで、赤褐色のものは外海に近い岩礁に、青緑色と 黒色のものは砂泥底に生息する傾向があるとされています。
生息する場所は、 アラスカ、サハリン、千島列島、朝鮮半島、中国・遼東半島、北海道から 鹿児島県種子島までの日本各地の沿岸の浅海です。
日本で最も食用とされて おり、生食のほか、乾製品などにして食されます。
大きくなり身が固くなった マナマコは、煮て天日干しされ(こうして加工したものを「イリコ」と呼びま す)、中華料理の材料にされています。
キンコ
全長は15~20cmほどになります。芋虫のような形状で、ずんぐりと太って います。
口の周りには10本の触手があり、網の目のように枝分かれしています。
体の色は、灰褐色のものが比較的多いとされていますが、濃紫色や黄白色 のものもいます(濃紫色のものは、藤の花の色に似ていることから「フジコ」 と呼ばれることも)。
宮城県石巻市にある島「金華山」周辺海域が名産地として知られていたことや
生殖腺が美しい金色をしているのは砂金を食べているからなどという言い伝えがあることから、キンコと呼ばれるようになった と言われています。
生息する場所は、サハリン、千島列島、北海道や東北地方の日本海・太平洋沿岸の浅海です。
乾製品となるほか生食も可能ですが、肉質 が硬いため、なんらかの軟化処理をしたうえで食されることが多いようです。
オキナマコ
全長は40cmほどになります。
マナマコと同様、円筒形ですが、マナマコよりも平たい形をしています。
背中にはツノ状の突起が多数ついていて、体色は灰色や灰緑色をしています。
生息する場所は、本州、四国、九州沿岸の沖合いです。乾製品にされ、中国などに輸出されています。
バイカナマコ
全長は80cmほどになります。
背中には多数の突起があり、その形状が梅の花に似ていることから、この名がついたとされます。
体色は、完熟したトマトのような色(赤橙色)をしています。
生息する場所は、沖縄本島以南、東南アジア、オーストラリア東岸までのサンゴ礁帯です。
乾製品にされ、中国では 「梅花参」、沖縄では「ガジュマル」と呼ばれて珍重されています。
ジャノメナマコ
全長は30~40cmほどになります。
円筒形をしており、白地の体表に蛇の目模様があることから、この名がついたとされます。
生息する場所は、奄美大島以南、インド洋、西太平洋の熱帯海域です。
乾製品として食用にされています。
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