魚の寄生虫「アニサキス」の生態や対策
魚に寄生する寄生虫は様々ですが、人間が被害に合うことが特に多いのは「アニサキス」と呼ばれる寄生虫です。今回はそのアニサキスの生態を紹介するとともに、被害に合わない為の対策を紹介していきたいと思います。
アニサキスとは
アニサキスはあらゆる魚介類に寄生する寄生虫です。糸状で5㎝ほどの長さ、白く半透明な外見をしています。
あまり目立たないので食べようとしている魚に寄生していても、気がつかないことも多いです。
しかし人間にとって有害であり、魚と一緒に口にしてしまうと、高確率でアニサキス症という腹痛や嘔吐を伴う症状を発症します。
生息環境
全ての種のアニサキスは魚介類に寄生しています。ただし卵から成虫になるまで、食物連鎖の中で宿主が変わっていきます。
- 成虫は最終宿主であるクジラ類(クジラ・イルカ・シャチなど)に寄生しており、そこで卵を産みます。
- そして卵は排泄とともに海に放出され孵化し、オキアミなどの甲殻類に食べられます。
- そのオキアミを魚やイカなどの食物連鎖上位の生物が食べます。
- 今度はさらに食物連鎖上位に位置するクジラ類が食べます。このクジラ類を最終宿主として成虫まで成長し、1に戻ります。
ちなみに人間は宿主にはなり得ません。人間の腸の中はアニサキスには住みづらいらしく、体内に入っても成長できず数日で勝手に死んでしまいます。万が一食べてしまっても体内で増殖なんて恐ろしいことにはならないので安心してください。
アニサキス対策
対策は主に以下の3つが挙げられます。
◆調理する場合
調理する場合はしっかり火を通すことが大切です。60~70度で加熱することで死滅します。
◆刺身で食べる場合
刺身で食べる場合は食べる前に目視で確認し、万が一いれば取り除きましょう。また-20度以下で24時間以上冷凍すると死滅しますので解凍して食べるのも良いでしょう。内臓は絶対に生で食べないでください。
◆釣った魚の場合
自分で釣ってきたり一匹丸ごと買ってきた場合はまずはらわたを取り除きましょう。アニサキスは主に内臓に寄生する為です。しかし時間がたつにつれて冷たい場所を求めて身の中に侵入することがあるので刺身にする場合はなるべく早くにわたを取り除いたほうがいいでしょう。
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