アサリ漁の現状
旬のアサリは、身がふっくらと大きくて、旨みもたっぷりです。
シンプルな酒蒸しで、アサリの美味しさを存分に味わうのもいいですね。
貝類の中でも人気の高いアサリですが、現在は昔ほど獲れなくなっています。
何故なのでしょう?アサリ漁は今、どんな状況にあるのでしょうか?
アサリが減っている!
1980年代には14万トンあったアサリの漁獲量は、現在、2万トン程度にまで減少しています。
日本のアサリが減り、流通するアサリの半分が韓国や中国からの輸入品になっています。
アサリが減っているのは何故?
アサリの生息地の減少
アサリが生息しているのは、海岸の泥や砂が積み重ってできた干潟です。
潮干狩りの場所を思い浮かべると分かりやすいですね。
この干潟が、都市開発や工場立地のために埋め立てられ、アサリの生息地が減ってしまったことが原因のひとつです。
環境汚染
工場や家庭からの排水、船から漏れる石油などで、海水の質が著しく落ちてしまったことにより、アサリの生息が難しくなってしまいました。
アサリの天敵である生物の増加
1990年代後半から海水の温度が上昇し、暖海に住むナルトビエイが急速に増えました。
ナルトビエイは貝類を餌としており、アサリ漁場に大きな被害をもたらしています。
また、蜘蛛に似た海洋生物カイヤドリウミグモの寄生や、輸入稚貝からの感染症などで、大量のアサリが死んでいます。
アサリ漁復活のための試み
人工干潟の造成
アサリの生息できる場所を造り、アサリを育成・維持して増やしています。
アサリの保護
禁漁期間・区域を設定して、産卵前の母貝や小型貝(生育途中の貝)を保護し、乱獲によるアサリの減少を防いでいます。
食害対策
アサリを食べてしまうナルトビエイを、定期的に駆除しています。
アサリの減少には、環境の変化が大きく関わっているようです。アサリ漁回復のために、私達一人一人にも出来ることがありそうです。
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