大アサリとは:味の特徴/アサリとの違い/正式名称など
皆さんは「大アサリ」をご存知でしょうか?「大きく成長したアサリのこと」と思わ れる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそうではありません。 ここでは、大アサリについてご説明したいと思います。
大きなアサリではない
アサリと同様、大アサリは二枚貝で、基本的な体の構造などはアサリと似ています。
ただし、細かな点で違いがあることから、生物の分類学上は別扱いとされています。
アサリも大アサリも「マルスダレガイ科」の貝ですが、アサリは「Ruditapes属」に、大アサリは「Saxidomus属」に分類されます。
また後述するとおり大アサリには正式名称があります。
大アサリの特徴
- 貝殻は、三角形に近い楕円形をしています。
- 2枚の貝殻のつなぎ目がある貝殻の上端部分からは、成長肋(せいちょうろく)と呼ばれる、貝殻の成長に伴って生じる線が波紋のように広がっています。
- 餌は、海中の珪藻など植物プランクトンや浮遊有機質です。
- 入水管と呼ばれる 管から餌の混じった海水を吸入して餌を漉し取り、出水管から糞などを排出します。
- 殻長は8cm、殻高は6cmほどになります。
- 大アサリの貝殻の表面は灰白色 で、これといった模様はありません。
- 貝殻の内側は濃い紫色をしています。
アサリとの違い
- アサリは、殻長(かくちょう。貝殻の左右の最大幅のこと)は4cm、殻高(かくこう。2枚の貝殻のつなぎ目がある貝殻の上端から下端の最大幅のこと)は3cmほどになります。一方、大アサリは、殻長は8cm、殻高は6cmほどになります。
- アサリの貝殻の外側は灰褐色をしたものが比較的多いですが、白や黒色の他、それらが混ざっているものもあるなど、とても多様です。そして、表面には変化に富んだ不規則な模様があります。一方、大アサリの貝殻の外側は灰白色で、これといった模様はありません。
- アサリの貝殻の内側は白色をしており、時折、薄紫色を帯びた個体も見受けられます。一方、大アサリの貝殻の内側は濃い紫色をしています。
大アサリの正式名称
大アサリという名は、伊勢志摩や三河湾で観光客向けに販売される際に付けられた ものが通称になったと言われており、正式名称は「ウチムラサキガイ」と言います。
上述の通り、大アサリの貝殻の内側は濃い紫色をしており、正式名称はこのことに 由来します。
大アサリの味の特徴
焼いて食べるのが一般的です。身や貝柱は大きく、やや堅さがありますが、アサリに 似た甘みがあります。大型で食べる部分が多いので、食べごたえがあります。
大アサリ(ウチムラサキガイ)は、北海道南部から九州、朝鮮半島の沿岸に生息して います。
伊勢志摩や三河湾が名産地として知られていますが、その他の地方でも漁獲 され、他の名称をつけて販売されているところもあります(兵庫県:オオガイ、ホン ジョウガイなど)。
食べたことがない方は、是非一度ご賞味ください。
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