サバ食によるヒスタミン中毒について
ヒスタミン食中毒とは、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品を食べることにより、皮膚、消化器、呼吸器・目などに各種症状が現れる食中毒のことを言います。
そしてサバを食べてこのヒスタミン中毒にかかる例はまれにいます。アレルギーと似たような症状が現れますが、発症のメカニズムは異なります。
ヒスタミン中毒の原因
ヒスタミンは、タンパク質を構成するアミノ酸の一種である「ヒスチジン」に対して「ヒスタミン産生菌」(海水中や、人・動物の腸管内にも元々います)という菌の酵素が働きかけることにより生成されます。
サバのようにヒスチジンが多く含まれる食品を、常温で放置するなど適切でない管理をすると、食品中のヒスタミン産生菌が増殖しやすくなり、その分、ヒスタミンも多く生成されます。
ヒスタミン中毒の症状
食べた量や体質などによる個人差はありますが、食べた直後から1~2時間の間に、吐き気、胸のむかつき、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、舌や顔面の腫れ、じんましん、めまいなどの症状を起こすとされています。
特に、心臓や呼吸器などに病気をお持ちの方の場合は、重症化するおそれがあるので、注意が必要です。
ヒスタミン中毒の対処・予防法
1)必要に応じ早めの受診を心掛ける
症状が軽い場合は、長くても1日程度で自然に治ると言われていますが、症状が重かったりなかなか治まらなかったりする場合には、お医者さんに診てもらう必要があります。中毒ではなくサバアレルギーによる症状ということも考えられますので、食べたものをメモしておくようにしましょう。
2)サバを適切に管理する
サバを買ったら、常温に放置せず、速やかに冷蔵庫に入れましょう。常温で放置するなど不衛生な状態に置くと、ヒスタミン産生菌が増殖し、その酵素作用でヒスタミンが多く生成されることにつながります。また、ヒスタミン産生菌は、魚のえらや内蔵に多く存在するので、未処理の場合できるだけ早く取り除きましょう。
3)処分する
一度生成されたヒスタミンは、調理時の加熱によっては分解されません。ヒスタミンを高濃度に含む食品を口に入れたときには、くちびるや舌先に通常と異なる刺激を感じることがあると言われていますので、このようなときには食べずに処分するのが良いでしょう。
適切に保存すればあまり神経質になることもありませんが、サバによりヒスタミン中毒が起こることもあり得るということを心に留めておいてください。
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