うなぎの一生
うなぎの生態については、長い間謎に包まれていました。しかし近年では研究によって、うなぎがどういう一生を過ごすのか、徐々に解明されてきています。今回は、うなぎがどこで生まれてどのように一生を過ごすのか、ということについて紹介していきたいと思います。
卵~稚魚のうなぎ
卵~
うなぎの一生は、海で始まります。その産卵場所についてはまだまだ謎が多いですが、太平洋のマリアナ海域だということが近年の研究でわかってきました。
仔魚~
卵から孵化したうなぎは最初、レプトケファルスと呼ばれる、透明で平たい仔魚の姿をしています。体長は数ミリ~数センチで、この段階でうなぎの幼体だと識別するのは非常に困難です。
稚魚~
その後、レプトケファルスは海流に乗りながら川を目指しますが、その過程で成長し、シラスウナギと呼ばれる稚魚に姿を変えます。シラスウナギは、細長く透明で、シラスのような姿をしています。
成魚のうなぎ
やがて、川にたどり着いたシラスウナギは、しばらくの間淡水に慣れるため河口で生活します。(※この間に人間に捉えられたうなぎは養殖うなぎとなり、人間の手で成体うなぎに育てられます。)
その後、川を遡上し、そのまま5~10年ほど川で生活します。この間に透明だった体色も、私たちがよく知る黒色に変化し、成魚となっていくのです。
天然うなぎだと成魚といえる大きさに成長するのに5年以上の年月がかかります。
ただし養殖うなぎの場合は、栄養価の高い人工の餌や、成長促進のホルモン剤が投与されていたりするので、2~3年ほどで食べられる大きさに成長します。
卵の産卵
川で成長したうなぎはその後、産卵のために再び海に戻ります。産卵場所は自分の生まれた場所と同じであると考えられており、そこで生殖、産卵を行って、その一生を閉じます。
このように、うなぎは海で生まれて海に帰る、というサイクルを通じて、一生を過ごします。しかし、海でのうなぎの生活にはまだまだ謎も多く、解明されていないのが現状です。
現在は、海におけるうなぎの生態、特に仔魚、稚魚時代のうなぎの生態に関する研究を進めることで、うなぎを卵から育てる完全養殖技術の開発につなげる試みがなされています。
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