うなぎの稚魚について:名前や生態など
卵から孵化したうなぎの幼体は、レプトケファルス(葉形仔魚)とよばれ、透明で平らな、バクテリアのような姿形をしています。この幼体が海流に乗り、成長しながら河口を目指します。
そして、河口に着く頃にはシラスウナギと呼ばれる稚魚に姿を変えます。細長く透明で、シラスのような形状です。
市場の99%を占める養殖うなぎは、シラスウナギの段階で捕獲され、人間の手で育てられたものです。
人間に捕まらなければ、そのまま川で生活し、シラスウナギから成魚となります。川で5~10年過ごしたあとは、再び海に戻り、生殖、産卵を行い、一生を終えると考えられています。
シラスウナギの生態
生息地
主に日本、台湾、中国、韓国などの東アジアに生息しています。日本では主に、鹿児島、高知、静岡などの川で生息が確認できます。
成長
成長するにつれて腹の色が変化していきます。初期段階では腹が黄白色なので「黄ウナギ」と呼ばれ、さらに成長し腹が銀色になったものは「銀ウナギ」と呼ばれます。銀ウナギになれば食べ頃のサインです。
習性
シラスウナギは光に集まる習性(集光性)があります。シラスウナギ漁では、その習性を利用し、川面に強い光を当ておびき寄せたところを一気に捕える方法をとります。
シラスウナギの養殖
シラスウナギの段階で捕獲して、その後人間の手で成魚(銀うなぎ)まで育てることを、「うなぎの養殖」と呼びます。
通常、シラスウナギから成体うなぎに成長するためには、5~10年ほどの年月を費やします。
しかし養殖では、安定した環境下で、栄養価の高いエサやホルモン剤が投与される為、2~3年あれば立派な銀うなぎにすることができます。
市場に出回っているうなぎの99%は養殖ものと思ってください。
シラスウナギの減少
近年では乱獲により、シラスウナギの数が減少しており、絶滅が危惧されているほどです。その為漁獲規制や、卵から成魚まで育てる「完全養殖技術」の必要性が増してきました。
すでに完全養殖自体は成功しているものの、育成コストが馬鹿にならず、量産化にはほど遠いのが現状です。
関連記事:うなぎの完全養殖実用化が難しい理由:コストが壁か
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