うなぎは皮膚呼吸できるってほんと
うなぎは陸上でも長時間生きながらえることができます。
もしも川が干上がったとしても、湿った地面を這うことで他の川に移動することができ、夜間陸にはい上がり移動する生態も確認されています。
こんな芸当を可能にするのが、うなぎの高い皮膚呼吸能力です。
皮膚呼吸とは
皮膚呼吸とは、体表面で行う呼吸のことをいいます。体表面で酸素を通過させる、ガス交換作用ともいえるでしょう。
酸素供給のほとんどを肺呼吸で行う人間も、総供給量の0.5~0.6%程度は皮膚呼吸でまかなっているのですよ。
一方でエラや肺など特別な呼吸器官を持たない生物は、酸素供給の大部分を皮膚呼吸でまかなっています。環形動物のミミズや、触手動物のコケムシなどがそうです。
うなぎの皮膚呼吸
そしてうなぎはエラと皮膚呼吸を併用している生物として知られています。しかも人間のように0.5%なんてレベルではなく、総呼吸量の60%が皮膚呼吸でまかなわれているのです。
これを可能にしているのは、体表を覆う強力な粘液。うなぎは退化した鱗が皮下に埋没し、代わりに表皮の粘液分泌細胞が発達しています。
この粘液は、水分を体表に定着させ、酸素供給を促進する効果を持つのです。陸上で長い間窒息せずに住むのは、この粘膜の保水性のおかげです。
温度が低いほど、うなぎの皮膚呼吸は活性になり、外気温が10℃以下だと皮膚呼吸による呼吸の割合が全体の60%以上を占めるようになります。
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