タラバガニの生態や生息地
タラバガニというと、何となく北の海の荒波に揉まれて暮らしているイメージを持つ方もおられるかもしれませんが、実際には、どのような環境でどのように暮らしているのでしょうか。
ここでは、タラバガニの生態や生息地についてご紹介したいと思います。
タラバガニの特徴
甲羅は、丸みを帯びた五角形(ハート型を逆さにしたような形)で、盛り上がった厚みのある形状をしています。
成熟すると甲幅(甲羅の幅のこと)が、オスは25cmほど、メスは10cmほどになります。オスは、大きなものだと、足を左右に伸ばすと1m30cmにも及びます。
全身に、短い棘状の突起があります。色は、暗紫色やあずき色をしていて、加熱すると鮮やかな朱色になります。
カニと名がついてはいるものの、生物学上はヤドカリの仲間とされています。
生息域
生息する水深は100~300mほどで、生息に適した水温は、0~8℃くらいとされています。
主な生息域は、日本近海では北海道以北、海外は、北半球ではオホーツク海からベーリング海、北極海のアラスカ沿岸、南半球では南米のチリやアルゼンチン沿岸となっています。
産卵
産卵期は、北半球の場合、4月から6月とされます。産卵期になると、メスとオスが水深20~30mくらいの海藻が茂った浅場に来て、メスは40万粒ほどの卵を産みます。
オスには、カニ類が持つような交尾器はなく、精子の入った精莢(せいきょう)呼ばれるカプセル状のものをメスの生殖孔近くに付着させて渡します。
メスは、卵を海藻に産み付けるわけではなく、孵化するまでの間、卵を保護するために自らお腹に抱えて過ごします。
産卵後、メスとオスは別々に深場に戻り、砂泥の中で越冬します。産卵後1年ほどすると、幼生が孵化します。
4年程度で成熟して親ガニとなり、繁殖活動ができるようになるとされます。寿命は、20年以上と推定されています。
食性
餌は、貝類、棘皮動物(きょくひどうぶつ。ウニ、ヒトデやナマコの仲間)のほか、死んだ魚の死体なども食べているとされます。
背中に貝殻を背負っていないのにヤドカリの仲間であったり、北の海だけではなく南(半球)の海にもいたり、なかなか面白い生き物ですね。
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