釣ったイカの保存方法
釣りあげたイカを家で美味しくいただくためには、どのような処置をして保存すれば良いのでしょうか。ここでは、その方法をご紹介します。
処置・保存の手順
1)イカを釣りあげたらすぐに、イカの眉間(左右両側にある目と目の間の若干上あたり)をアイスピックなどで刺し、イカを絞めます。 →イカの眉間の奥には脳があります。この部分に刺さると、イカは即死します。刺した直後に体色が変化したら、うまく刺さった証拠です。→漁船などに生け簀があるなら、とりあえずその中で生かしておき、下船前に絞めてもかまいません。
2)イカが吐いた墨を海水で洗い流し、ビニール袋に入れます。→真水に浸して洗うのは避けてください。イカの体内の水と真水の塩分濃度差による浸透圧(濃度の異なる2種類の液体が互いに同じ濃度になろうとし、濃度の濃い液が薄い液から水を引き寄せようとする力)の関係で、真水だとイカの体内に真水が浸透し水っぽくなってしまうおそれがあるためです。
3)クーラーボックスの底に氷や保冷剤を入れ、その上に畳んだ薄めのタオルあるいは新聞紙を乗せます。→氷や保冷材に直接あてると、イカの身が真っ白くなって身が固くなる(いわゆる「氷焼け」)ので、避けてください。
4)タオルあるいは新聞紙の上にビニール袋に入れたイカを乗せ、クーラーボックスの蓋を閉じます。
5)家に持ち帰ったら、ビニール袋から取り出し、イカの腹(白っぽく、色がついていない方。わかりにくければ、漏斗状の管が出ている方)を包丁でさばいて開き、内蔵と足を取り去ります。→包丁でさばいて取り去るのではなく、頭部(目の付いているあたり)と外套膜(がいとうまく。円錐状の胴体の部分)の隙間に指を突っ込み、胴体の先端の方までまさぐるようにして指を進めて胴体と内臓を分離させ、その後、頭部と胴体をつかんでお互い逆方向に引っ張り、胴体から、内蔵ごと頭部を引き抜いてから開く方法もあります。
6)開いた胴体の外側についた皮を取り除きます。
7)開いた胴体の内側についた汚れやヌメリなどを包丁でこそげ取ります。
8)キッチンペーパーなどで拭いてイカの表面の水気を取った後、キッチンペーパーに包んでしばらく置いて、イカの身の中の水気を取ります。
9)できるだけ空気が入らないようラップなどに包んで、冷凍庫に入れます。
うまく処置すると、鮮度を保った状態で冷凍保存できます。とはいえ、いわゆる「冷凍焼け」(=魚などを長い間冷凍室で保存したときに、乾燥や油脂の酸化によって、風味や食感が悪くなったり、身が変色を起こしたりする現象)するおそれもあるので、1か月以内を目安にできるだけ早くいただきましょう。
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