肉中心よりも魚中心のが健康にいいのか
現代では食事スタイルが欧米化し、魚の存在感が低下しがちです。
その為によく聞くようになったのが「健康に過ごすためには魚中心の食生活に切り替えた方が良い」という指導です。
しかしその根拠について詳しく語られることはあまりないように思います。
大腸がんになりにくくなる?
お肉大国といっていいアメリカでは、大腸がんによる死亡率が高いです。そんなアメリカで「ベジタリアンの大腸がんの発症リスク」に関する調査がありました。
魚も肉もたまにしか食べない人、魚は食べるが肉は食べない人、魚も肉も食べない人…。様々な食生活パターンのベジタリアンの調査をしたところ、「魚は食べるが肉は食べない」食生活が、他のどのベジタリアンよりも大腸がんの発症リスクが低いという結果になったようです。
参考文献:魚を食べる菜食者は大腸がんになりにくい-HUFFPOST-
心筋梗塞になりにくくなる?
青魚には肉には少ないDHA/EPAが豊富に含まれています。遠距離を回遊する必要のある青魚には、そのエネルギー源であるDHA/EPAが多大に備わっているのです。
そしてDHA/EPAには心筋梗塞の原因になる「血栓」が出来るのを防止する効果があります。
水産庁HPによれば、普段から魚中心の食生活をしている人は心筋梗塞の発症リスクが6割低いとのことです。日本人の死亡原因の第2位が、心筋梗塞を主とする心臓病であることを考えると、これは貴重な情報といえます。
厚生労働省研究班が、平成2(1990)年から約11年にわたり、岩手県、秋田県、長野県及び沖縄県に住む男女4万人について、食事も含む生活習慣と虚血性心疾患(*1)発症との関連を追跡調査した結果、「魚を週に8回食べる人は1回しか食べない人に比べて心筋梗塞を発症するリスクが約6割低い」ということが分かりました(平成18(2006)年1月、米医学誌「Circulation」に発表)。日本人の健康的な食生活を支える水産物-水産庁HP-より引用
1番大事なのは「魚と肉をバランスよく」食べること
しかし魚中心の食生活が健康にいいからといって、肉を全く食べない事が推奨されるわけではありません。肉には魚だけでは補えない栄養も含まれています。
その代表例が鉄分です。鉄分不足は貧血を招き、貧血は筋肉量を減らし、健康寿命に影響します。魚にも鉄分は含まれていますが、補給効率の面でいえば魚より上なのです
あくまで偏りすぎが問題なのであって、肉の高い栄養価は、体の貴重なエネルギー源になっています。肉食に対してネガティブな印象を持つことはありません。
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