アサリの一生:成長・年齢・寿命について
アサリは、古くから日本人に親しまれてきた食材ですが、生まれてから死ぬ までにどのようにして過ごしているのでしょうか。 ここでは、アサリの一生(成長・年齢・寿命)についてお話したいと思いま す。
生まれてから成貝になるまで
産卵
日本では海水温が20度前後となるときに産卵が行われ、関東以南は2回(春と秋)、東北は1~2回、北海道は1回とされています。
孵化して幼生へ
受精後5~10時間ほどで孵化して「トロコフォア」と呼ばれる幼生となり、その後10数時間で「ベリジャー」と呼ばれる幼生となります。幼生は、2~3週間ほど海中を浮遊して過ごします。
幼生から稚貝へ
体長が0.2mmほどになった幼生は、海中から海底に降ります。着底した当初、稚貝はまだ砂に潜ることはできず、足糸(そくし)と呼ばれる糸状の分泌物により砂礫などに付着して過ごします。
場所によって差異がありますが、着底後4~6か月で殻長が1.0cmほどになると、足を使って砂泥に潜って過ごすようになります。
稚貝から成貝へ
場所によって差異はありますが、砂泥に潜って過ごすようになってから 1~2年ほど経つと、殻長が2.5cmほどの成貝になります。
年齢と寿命
2枚の貝殻のつなぎ目がある貝殻の上端部分は殻頂(かくちょう)と呼ば れます。貝殻を見ると、この殻頂からは、成長肋(せいちょうろく)と 呼ばれる、成長に伴って生じる線が波紋のように広がっています。
樹木の年輪に少し似ていますが、必ずしも 1年に1本生じるというものではないため、単純に線の数を数えても厳密 な年齢はわかりません。
成長肋を調べた結果、アサリは採捕されなければ自然環境では7~8年ほど生きることがわかっています。
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