アサリの体の構造

アサリの体の構造

アサリは、汁物や蒸し物などの具として親しまれている食材ですが、どのような 体のつくりをしているかをつぶさに観察した方は意外と少ないのではないでしょ うか。

 

そこで、ここではアサリの体の構造についてご説明します。

 

 

貝殻の形態や大きさ

アサリは1対2枚の貝殻を持つ二枚貝です。

 

貝殻は、三角形に近い楕円形をして おり、殻長(かくちょう。貝殻の左右の最大幅のこと)は4cm、殻高(かくこう。 2枚の貝殻のつなぎ目がある貝殻の上端から下端の最大幅のこと)は3cmほどに なります。

 

2枚の貝殻のつなぎ目がある貝殻の上端部分は殻頂(かくちょう)と 呼ばれます。

 

殻頂からは、成長肋(せいちょうろく)と呼ばれる、貝殻の成長に 伴って生じる線が波紋のように広がっています。

 

貝殻の中にある各種器官

各種内臓

貝殻の中には、口、食道、胃、腸、肛門などの器官があり、心臓もあります。

 

入水管と出水管

アサリの砂抜きをしているときに、 貝殻から二本の管が出ているのをご覧になった方もおられるかと思いますが、 この二本の管が入水管と出水管です。

 

入水管/出水管の役割

  1. 入水管と呼ば れる管から餌(主に植物プランクトン)の混じった海水を吸入します。
  2. えらで餌を漉し取ります。(えらには、呼吸 だけでなく、餌を漉し取る機能があります)
  3. 唇弁(しんべん)と呼ばれる口の 両側にある薄い弁膜で餌をより分けます。
  4. 口、食道、胃、腸を通って不要なものが糞になり肛門から体外に排出されます。
  5. 体内から排出された糞は、出水管と 呼ばれる管から貝殻の外に排出されます。

 

外套膜

内蔵は外套膜(がいとうまく)と呼ばれ る膜で覆われており、外套膜の表面からは炭酸カルシウムが分泌され貝殻が 作られます。

 

閉殻筋

2枚の貝殻は、靭帯(じんたい)により本来は開くような力が働いていますが、 閉殻筋(へいかくきん)と呼ばれる筋肉により閉じ合わされます。

 

この閉殻筋は、 一般には「貝柱」と呼ばれています。アサリを加熱すると貝殻が開きますが、 これは、閉殻筋が貝殻から剥がれて閉じる力が働かなくなる一方、靭帯により 開く力が働くためです。

 

移動したり砂泥に潜ったりするための足もあります。アサリなどの二枚貝の足は 斧の様な形をしていることから、生物の分類学上、斧足類(おのあしるい。ふそ くるい、とも)と呼ばれています。

 

普段、アサリを食べているときにあまり意識することはないかもしませんが、 機会があれば、どのような体の作りになっているのかをつぶさに観察してみる のも面白いのではないでしょうか。

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