アサリの天敵「ツメタガイ」とは?
皆さんは、「ツメタガイ」という名の貝をご存知でしょうか。
実は、アサリの天敵と呼ばれている貝なのですが、ここではツメタガイに ついてご説明したいと思います。
形態などの特徴
ツメタガイは、海に生息する巻貝の一種です。
貝殻は半球形をしており殻長は5~7cmほどですが大きなものだと10cmに達するものもいます。
貝殻は硬くて厚く、その 表面は滑らかで黄褐色や紫褐色をしています。肉は食用になります。
殻長(かくちょう)…巻貝の貝殻の上端から下端の最大幅のこと。二枚貝の場合は貝殻の左右の最大幅のことを言います。
生息する海域と水深
日本では、北海道以南の日本沿岸、海外では、韓国、中国、東南アジア 各国の沿岸に広く分布しています。
生息する水深は、干潟から水深10m ほどの砂地の浅い海とされています。
食性
ツメタガイは、肉食性の巻貝で、主にアサリやハマグリなどの二枚貝を 食べています。
捕食する際は、二枚貝に近づいて広げた足で包み込みます。
穿孔腺(せんこうせん)と呼ばれる器官から酸を分泌して獲物の二枚貝の 貝殻を溶かしながら、
吻(ふん)と呼ばれる細長い口の先についたザラ ザラした歯舌(しぜつ)で貝殻に2mmほどの穴を開けて、中の肉を食べま す。
海岸に打ち上げられた二枚貝の貝殻に爪楊枝の太さほどの穴が開いていることがありますが、これはツメタガイの捕食痕の可能性があります。
繁殖活動
春から初夏にかけて産卵を行います。
干潮時にも潮が引き切らない浅瀬の 砂の上で、粘液で砂を固めてその中に卵塊を産みつけます。
1つの卵塊 には3~5万個ほどの卵が含まれます。
粘液で固められた卵塊を含む砂はその形状が伏せた小さなお茶碗のように見えることから、「砂茶碗」と 呼ばれることがあります。
ツメタガイは繁殖力が旺盛で、アサリなどの漁獲対象の貝類を食害する ことから、ツメタガイやその卵塊の駆除を呼びかけている自治体もある ようです。
大発生した時には、潮干狩りで採取するアサリなどの貝が全滅 してしまうこともあるようです。
何ともおそろしい貝ですね。
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