アサリを飼育するには?餌は何をあげる?
アサリの砂抜きをしている際に、ふと「このまま飼うことはできないだろうか」 と思った方はおられませんか?ここでは、アサリの飼育に関するお話をしたい と思います。
家で長く飼うのはハードルが高い
生きたアサリは、お魚屋さんやスーパーの鮮魚コーナーなどで年中売られていますので入手すること自体は容易です。
ただ十分な飼育環境が用意できない一般家庭で長い期間飼育するのは困難と言われています。それは主に次のような理由があるからです。
餌の入手が難しい
アサリの餌は、海中の珪藻など植物プランクトンや浮遊有機質です。
このため海中の珪藻など植物プランクトンや浮遊有機質を継続的に入手する必要がありますがこれはなかなか困難と言えます。
アコヤガイといった真珠を採る二枚貝の養殖用の餌が事業者向けに販売され一部小売りもされているようですが一般に普及しているとまでは言えません。
海水の入手と塩分濃度の管理が難しい
アサリは、淡水の影響のある海の砂泥の干潟に棲んでいます。
飼育に海水は不可欠ですが海の近くに住んでおられる方ならまだしも海水を継続的に入手するのは費用や手間などを考えるとなかなか困難です。
さらに淡水の影響のある海水なので、塩分濃度の管理も適切に行うことが必要となります。
アサリは塩分濃度が低くなるほど生存期間が短くなる傾向があるとする研究報告がありますので淡水を多過ぎず少な過ぎず加えるという微妙な管理が必要となりますが、これもなかなか困難です。
水質の管理が難しい
アサリを長生きさせるには、排泄物などによって海水中に増えて行くアンモニアを除去する必要があり、このためには濾過装置が必要です。
ただこの濾過装置も一般家庭向けの商品の販売が増えてきてはいるものの購入にあたっては相応の覚悟が必要となります。
またアサリは貝殻に覆われており砂に潜って暮らしていることから、死んだときの発見が遅れ腐敗により水質が悪化させてしまうおそれが比較的高いと言えます。
適水温の維持が難しい
アサリは、水温が30℃を超えるとへい死する個体が生じ始めるとする研究報告があります。
またアサリの成長が止まる水温は11.6℃と推定されています(『二枚貝漁場における問題点と環境改善技術』水産庁)。
今では熱帯魚飼育用のヒーターが普及していることから水温を上げることは容易に行えるようになりましたが、水温を下げるクーラーはヒーターほど普及しているとは言えません。
水産庁による上記の資料によるとアサリの成長に適した水温は20~25℃とされていますので特に水温が上がりやすい地域や場所での飼育は難しいと言えます。
アサリは採捕されなければ自然環境では7~8年ほど生きることがわかっています。
ただ家で飼育することは不可能ではないものの、長い期間となる となかなか難しそうですね。
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