サザエのつぼ焼きとはどんな料理?美味しい食べ方は?
サザエの定番料理として「つぼ焼き」が知られています。
夏になると海辺などで網のうえに乗せたサザエを直火で焼いている光景を目にしますね。
ここではサザエのつぼ焼きとはどんな料理なのかをおさらいしたうえ、その美味しい食べ方をご紹介します。
サザエのつぼ焼きとは
国語辞典で「つぼやき(壺焼き)」の解説では
「サザエを殻のまま火にかけて焼き、醤油をたらして味を付けたもの。また、殻から出して細かく刻んだサザエの身をシイタケ・ミツバ・ギンナンなどとともに殻に戻し、割り醤油を注いで直火で焼いたもの。
と書かれています。
これを見ると、ササエのつぼ焼きは、大きく分けて、
- 活貝をそのまま直火で焼く方法
- 一度身を殻から出して捌いたうえ、殻に戻して直火で焼く方法
の2つがあることがわかります。
つぼ焼きのうえにわざわざ「サザエの」とついているのは、別の巻貝を代用した壺焼きと区別するだけでなく、
その他の食材を使った別の調理法(つぼ状の器で、サツマイモなどの食材を蒸し焼きにする)と区別する意味もあります。
サザエのつぼ焼きの起源
サザエは、縄文・弥生時代の貝塚(中身を食べた後に捨てられた貝殻が堆積した遺跡のこと)から貝殻が見つかっていることから、古代から食されて来た貝であることがわかっています。
しかしつぼ焼きがいつ頃から用いられた調理法なのかははっきりしません。
ただ
- 江戸時代後期の戯作者である十返舎一九の『東海道中膝栗毛』の中でつぼ焼きに関する記述がある。
- 江戸時代末期の浮世絵師である歌川広重が由井の名物であるサザエの壺焼きを描いたとされる絵がある。
この点から少なくとも江戸時代後期にはサザエの壺焼きが食されていたことがわかります。
美味しい食べ方
上述のとおり、サザエの活貝をそのまま焼く方法と、捌いた身を殻に戻して焼く方法がありますが、捌いた身を殻に戻して焼く方法の方が食べやすいでしょう。
サザエの身には口などの硬い部分があり、また、肝には「砂袋」と呼ばれる赤紫色の木の年輪のような模様のある箇所があります。
この砂袋あたりの肝は、サザエが飲み込んだ砂が溜まりやすく、また、特に苦みが強いとされています。
これらの部分をあらかじめ切り落としてから調理した方が、食べることに集中できるというわけです。
味付けは、醤油と日本酒で行うのが一般的ですが、フランス料理のエスカルゴのように、パセリやニンニクのみじん切りを混ぜたバターソースで味付けしても美味しくいただけます。
具には、シイタケ・ミツバ・ギンナンなどをお好みで加えても良いでしょう。
サザエといえば、あのコリコリとした食感と磯の香りが特徴です。
シンプルではありますが、つぼ焼きは、その特徴を最大限に生かした調理法なのかもしれませんね。
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