魚の「完全養殖」とは:普通の養殖とどう違う?
国際的に資源管理の責任が問われるようになり、天然ものの漁獲に頼らない完全養殖のニーズが高まっています。
養殖マグロには、養殖マグロと畜養マグロがありますが、いわゆる養殖マグロというのは完全養殖されたマグロになります。
さて「完全養殖」と通常の養殖とではどのように異なるのでしょうか?
畜養:すでに成長した魚を生け簀で育てる
畜養とは、すでに成長して大きくなった魚を生け簀に入れて育てる手法のことを言います。
マグロに関していえば、一定の成長度合いの個体の中から、あまり脂がのっていないものを選び生け簀の中で餌を与えて育てます。(このようにして育てられたマグロを畜養マグロといいます)。
これは養殖といっても結局は天然の魚を獲っているのと変わりませんから、やり過ぎれば資源の持続性が危ぶまれます。
完全養殖:孵化から成魚まで人の手で育てる
完全養殖とは、卵から成魚になるまで人の手で育てていく養殖方法のことです。マグロで言えば完全養殖された鮪のことをを「養殖マグロ」と呼んでいます。
完全養殖は簡単ではなく、対象の生物の生態を詳しく研究し、最適なエサ・水温・水質・明るさなど様々な環境条件を整える必要があります。
例えばウナギの完全養殖なんかはもう30年以上も前から研究されてますが、未知数な生態故に未だ商業化にはいたっていませんね。
しかしながら人工的に魚を誕生・成長・孵化させるという天然資源にはほぼ頼らない方法なので、資源管理が重視される昨今、熱心に研究が行われています。
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