ヤマトシジミの生態

ヤマトシジミの生態

シジミには、いろいろな種類があるのをご存知でしょうか。ここでは、日本で 流通量が多く広く食用とされている、日本の在来種の「ヤマトシジミ」をご紹 介したいと思います。

 

 

形態などの特徴

1対2枚の貝殻を持つ二枚貝です。

 

貝殻は、三角形に近い楕円形をしており、 殻長(かくちょう。貝殻の左右の最大幅のこと)は3cm、殻高(かくこう。 2枚の貝殻のつなぎ目がある貝殻の上端から下端の最大幅のこと)は2.5cm ほどになります(一般に流通しているものは、それより小さめのものが多い ようです)。

 

貝殻の表面には、貝殻の上端から、成長肋(せいちょうろく)と 呼ばれる成長に伴って生じる線が波紋のように広がっています。

 

貝殻の外側は、 光沢があり、幼貝のときは茶褐色をしていますが、成長するにつれて黒色へと 変わっていきます。貝殻の内側は、薄紫色ないし白色をしています。

 

生息域・生息場所

河口や海とつながった湖など、淡水と海水が混ざり合う、薄い塩分のある水域 の砂礫や砂泥底(水深1~4mほど)を好んで生息しています。

 

北海道から 九州にかけての日本各地のほか、樺太や朝鮮半島にも分布しています。

 

繁殖と成長

毎年、夏の時期(6~9月頃)に産卵が行われます。親貝となるオスから精子、 メスから卵が放出され、水中で受精します。

 

受精した卵は水中を漂いながら 分割し、幼生になります。1週間ほど水中を漂って過ごすと幼生に貝殻ができ て稚貝となり、水底に降ります。

 

生息環境により異なりますが、生後1年で 殻長5mm、2年で1cm、3年で1.5cm、4年で1.8cmほどに成長します。 漁獲されなければ、4cmを超えるものもあり、寿命は10年以上生きるとされ ています。

 

食性

餌は、水中の珪藻など植物プランクトンや浮遊有機質です。入水管と呼ばれる 管から餌の混ざった水を吸入して、えらで餌を漉し取って食べます。

 

ヤマトシジミの産地としては、島根県の宍道湖(しんじこ)や青森県の十三湖 ・小川原湖が知られていますが、他にもいろいろあります。産地ごとにどのよ うな違いがあるか、食べ比べてみるのも楽しそうですね。

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