マシジミの生態
シジミには河川や湖沼などの淡水を好むものもいれば、河口や海とつながった湖など、汽水域(きすいいき。淡水と海水が混ざり合う水域)を好むものもいます。
ここでは淡水に生息する日本の在来種である「マシジミ」をご紹介したいと思います。
形態などの特徴
1対2枚の貝殻を持つ二枚貝です。
貝殻は三角形に近い楕円形をしており、 殻長(かくちょう。貝殻の左右の最大幅のこと)は3cm、殻高(かくこう。 2枚の貝殻のつなぎ目がある貝殻の上端から下端の最大幅のこと)は2.5cm ほどになります。
貝殻の表面には、貝殻の上端から、成長肋(せいちょうろく) と呼ばれる成長に伴って生じる線が波紋のように広がっています。
貝殻の外側は、光沢があり、幼貝のときは黄褐色をしていますが、成長するにつれて黒色へと 変わっていきます。
貝殻の内側は、薄紫色ないし白色をしています。
生息域・生息場所
淡水域(河川の中流域から上流域や湖沼・用水路など)の砂礫や砂泥底(水深 1mほど)を好んで生息し、本州から九州にかけての日本各地に分布しています。
マシジミと同じく淡水を生息域とする外来種の「タイワンシジミ」が国内で急激に分布を拡大しており、生息域から駆逐されたマシジミが絶滅の危機に瀕しているところも あるようです。
シジミに限った話ではありませんが、在来種を絶やすことがないよう外来種を野外に放流してはいけません。
繁殖と成長
シジミには雌雄同体(しゆうどうたい。オスの生殖器官とメスの生殖器官を 併せ持つ)の種と、雌雄異体の種がいますが
マシジミは雌雄同体の種で、 卵胎生(らんたいせい。卵を胎内で孵化させて子を産む)です。
幼生は、水中を 浮遊する生活を送ることなく、孵化後直ちに水底での生活に入ります。
繁殖期は、 温暖な地方では周年とされていますが、盛期は5月から8月にかけてです。
食性
餌は、水中の珪藻など植物プランクトンや浮遊有機質です。入水管と呼ばれる 管から餌の混ざった水を吸入して、えらで餌を漉し取って食べます。
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