鮭の身は何故ピンク色(赤色)なの?
鮭は白身魚に分類されますが、その身は鮮やかなピンク色をしていますよね。鮭は川で生まれて海で育ち、産卵のために再び川に戻ってくる「通し回遊魚」です。鮭の身が紅いのには、この特殊な生態が大きく関係しています。
餌に含まれる色素成分の影響
鮭が産卵場所を求めて川を上ることを遡上と言いますが、この行為は鮭にとって命がけです。そのため産卵を控えた鮭はたっぷりと餌を食べ、エネルギーを付けた上で遡上に臨むのです。
そして主な餌となる甲殻類プランクトンにはアスタキサンチンというカロチノイド系色素が含まれており、それが蓄積することで身が鮮やかな紅色になるのです。
アスタキサンチンの役割
浅瀬を泳ぎ、時にジャンプして外気に触れることで、鮭は大量の紫外線にさらされます。しかしアスタキサンチンには紫外線から生体を防御する作用があるので、紫外線の影響が少なくて済むのです。
赤身魚のミオグロビンとの違い
ちなみに赤身魚の肉が赤く見えるのは、アスタキサンチンではなく、ミオグロビンと言う筋肉色素たんぱく質の影響です。この色素はタンパク質のため、熱を加えると熱変性により茶色く変化し固まってしまいます。
しかし鮭に含まれるアスタキサンチンはタンパク質ではなく、脂肪に取り込まれている色素物質なので、加熱しても変性を起こさず、鮮やかな色が変わる事がないのです。
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