鮭の寿命:産卵したら死んでしまうって本当?
産卵のために遡上した鮭は、卵を産むとそのまま死んでしまうと言われます。これは本当なのでしょうか。
鮭の寿命は何年?
日本で最も一般的な鮭であるシロサケの場合、卵から孵化し、海へでて産卵のために遡上するまで早くて3年、長くて7年程度ですが、産卵後(メスは放卵、オスは放精)はほどなくして、ほとんどの個体が死んでしまいます。
その為、水温や環境にもよりますが、一般的に鮭の寿命は3年から7年ほどだとされています。
中には、産卵後に1カ月程度卵を守る雌の姿が確認された例もありますが、長くても1カ月程度で死んでしまうようです。
1度の産卵では死なない鮭
同じサケ科でサクラマスという魚がいます。サクラマスの中でも、海へ下らず一生を淡水で暮らす河川残留型のものをヤマメと呼びます。
さらにダム湖や湖などで生きるものには、通常のヤマメよりもさらに大きく、「銀化ヤマメ」と呼ばれています。
ヤマメは約200個の卵を産み落としますが、産卵後もそのまま生き延びます。2度目の産卵をしてから、寿命が尽きるのが一般的です。
種類にもよりますが、鮭は寿命のすべてを使って、川と海を往来し、産卵して生涯を終えるのです。ただひたすらに「次に紡ぐ為に生きる」という鮭の生き様には、何か生命の神秘を感じ、心打たれるものがあります。鮭たちが生まれて出発した河川にまた戻り、命を繋いでいくためには、私たち人の手で環境を保護し、守っていく必要があります。
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