鮭の稚魚について:生態や放流など
鮭の稚魚については、小学校の理科の教科書に載っているものを見たことがあるかもしれません。
稚魚が生まれるまで
産卵時期を迎えた鮭は、砂利の多い湧水がでるポイントに、一度に約3000個ほどの卵を産みつけます。
一説によると、水温の積算温度※が480℃を超えると孵化し、さらに480℃を超えると仔魚から稚魚へと成長し、砂利から移動するとされています。
※積算温度とは:一日の平均温度を合計したもの。
つまり水温が低ければ低いほど、生まれてくるのが遅れてしまうので、卵を産み付ける場所や環境というのは重要なのです。
稚魚が成魚になるまで
鮭の稚魚は、お腹に卵黄の袋を残しており、その卵黄から栄養を補いながら、川にいる昆虫などを食べて成長します。
ある程度成長すると群れをなして川を下り、海へ出ます。湾内で動物プランクトンを食べながら成長し続け、水温が下がる6月頃にはすべての稚魚が北洋を目指して旅立ちます。
外洋で成長し、再び産卵のために元の河川に戻ってくるのですが、日本全国での平均回帰率は約4%だともいわれています。
地域活動での稚魚の放流もさかん
特定の地域では、自治体や小学校により、鮭の稚魚の飼育や放流、保護活動などが盛んに行われています。
きれいな水と水温がなければ育たない鮭を育成し、観察することで環境問題への取り組みも活性化し、子どもたちに命や自然について考える機会を与えています。
自然災害や環境破壊による生態の変化について、改めて考えてみることも大切です。
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