鮭の一生:誕生から産卵まで
ここでは鮭がどのように生まれ、過ごし、産卵し、一生を終えていくのかを工程ごとにわかりやすくしてご紹介します。
1.誕生
鮭は、成長しながら群れで外洋を旅し、産卵のために生まれ故郷の河川へ遡上します。雄と雌は1対1のつがいとなり、遡上したさらに奥地の湧水がでる川底に雌が産卵床をつくり、卵を産み落とします。その上から雄が精子をまくことで受精し、受精卵ができます。
2.孵化
種類や水温にもよりますが、受精卵からおよそ2カ月程で孵化し、仔魚(しぎょ)が誕生します。仔魚は、ヨークサックとよばれる卵黄をおなかに抱えています。仔魚の間は、自分で泳ぐことができないため、この卵黄を栄養にしながら産卵床で静かに成長し、外洋へと旅立つ日に備えます。春になると、産卵床から出て卵の栄養と並行して、水生生物を食べて成長を続けます。
3.海へ移動:成魚に成長
成魚となり、外洋へでる時期は、鮭の種類によってことなります。日本で獲れるシロサケはすぐに海へと移動しますが、ベニザケは淡水で数年過ごしたのちに海へと降りていきます。海へ辿り着いた鮭は、沿岸に沿って北上します。オキアミやヨコエビなどの動物プランクトンやイカ類、小魚を食べながら成長します。
4.河川へ移動:産卵
外洋にいる期間は種類により異なりますが、シロサケなどは2~8年の年月を経て、産卵のために再び生まれた河川を目指します。産卵を終えた鮭の命は長くなく、ほどなくして一生を終えてしまうのが一般的です。しかし1からまた生命のサイクルは始まるのです。
このように、成長過程により生活の場所を何度も変え、最終的に母なる河川に戻ってくる鮭の一生には、生命の神秘を感じます。
|
|