うなぎの美味しい旬の時期・季節は?

うなぎの美味しい旬の時期・季節

「夏の土用の丑の日は、うなぎ」とよく言われるように、うなぎと言えば”夏”を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

 

お魚屋さんやスーパーの鮮魚コーナーでは、夏の土用の丑の日が近くなると、うなぎが描かれたのれんやのぼり旗が飾られ、食欲をそそってくれます。

 

昔からの風習

文献を過去にさかのぼって調べてみると、日本では古くから夏にはうなぎを食する習慣があったことがわかります。

 

現存する最古の和歌集『万葉集』では、
平安時代の和歌の達人『三十六歌仙』として知られる大伴家持(おおとものやかもち)が、

 

「石麻呂(いしまろ)に 我れ物申す 夏痩せに よしといふものぞ 鰻(むなぎ)捕(と)り喫(め)せ」

 

(※( )内はルビ)と詠っています。これは夏痩せした石麻呂という人にうなぎが良いから食べるよう促している歌です。

 

また、江戸時代の風物について記した『明和誌』には、

 

「近きころ、寒中丑の日に紅をはき、土用に入り丑の日に鰻を食す。寒暑とも家ごとになす。安永・天明※のころより始まる。」

 

(※筆者注:安永は1772~81年、天明は1781~89年)

 

とあります。これによると、夏の土用の丑の日にうなぎを食べるのは、江戸時代後期に始まった習慣であることがわかります。

 

夏の土用の丑の日の頃は暑さの盛りです。うなぎを食べて精力をつけ、厳しい夏を乗り切ろうとする昔の人々の知恵だったのかもしれません。

 

 

冬のうなぎの魅力

でも、夏以外の時期や季節に食べるうなぎは、どうなのでしょう。今では養殖もののうなぎの蒲焼きが、お魚屋さんやスーパーの鮮魚コーナーに年中並べられています。

 

季節感が乏しくなって少しさみしい気持ちにもなりますが、昔の風習では、冬にも、うなぎがよく食べられていたようです。

 

上の『明和誌』の記述でお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、寒暑ともに土用の丑の日はうなぎを食すると記されており、うなぎは夏のものだけではないことがわかります。

 

土用の丑の日というのは四季それぞれにありますが、夏だけでなく冬の土用の丑の日にも、うなぎは食されていたのです。

 

 

旬の時期は冬?

うなぎは冬の厳しい寒さを耐え忍ぶために脂をたくさん蓄えるので、身も柔らかく美味しくなります。

 

その為本当にうなぎが美味しくなる旬というのは冬の季節ということになります。うなぎの名産地では、冬のうなぎの魅力を広く伝えようと様々な努力をされているようです。

 

土用の丑の日にまつわるエピソード

夏の土用の丑の日に食べる風習は、日本史の教科書などでもおなじみの学者・平賀源内(ひらがげんない)が広めたという説があります。

 

源内さんが、夏場の売れ行きの悪さに困り果てたうなぎ屋さんに、夏の土用の丑の日にはうなぎを食するよう促す宣伝方法を薦めたところ、これが大ヒットつながったのが始まりなんだとか。

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