シジミの生食は危険?

シジミの生食は危険?

シジミは味噌汁や佃煮など加熱した料理で食されるものであり、生食するなどという話は聞いたことがないという方が多いのではないでしょうか。

 

それもそのはず、シジミが生食されないことには、相応の理由があるよう なのです。

 

 

ビタミンB1欠乏症の原因「チアミナーゼ」

シジミなどの貝類や淡水魚の内臓には、「チアミナーゼ」(「アノイリナーゼ」と呼ばれることもあります)という酵素が含まれています。

 

糖質をエネルギーに変えたり、神経細胞の機能を正常に保ったり、皮膚や粘膜を健やかに保ったりするなど、私たちが生きるために必要不可欠な栄養素のひとつにビタミンB1があります。

 

しかしチアミナーゼが体内に入ると、腸内でビタ ミンB1を破壊し、ビタミンB1欠乏症になるおそれがあるとされています。

 

ビタミンB1が欠乏した時にかかる疾患としては、脚気(かっけ)が知られています。

 

脚気とは食欲不振 や全身の倦怠感が生じ、症状が進行すると、足のしびれやむくみ、動悸・ 息切れなどが現れる疾患のことです。

 

ノロウイルスやA型肝炎ウイルスのおそれも

東京都福祉保健局が発行している『保健所だより』を見ると、食品の生食に関する記事の中で、「シジミの酒漬」でノロウイルスやA型肝炎ウイルス などに感染するおそれがあると注意喚起がなされています。

 

『保健所だより』(第19号)/東京都福祉保健局・東京都多摩府中保健所
 

 

上述のように、チアミナーゼにはビタミンB1を破壊する作用がありますが、 この作用は加熱することにより軽減または失わせることができます。

 

またウイルスについても、十分に加熱することにより、感染を予防することが できます。

 

シジミが生食されないのはビタミンB1欠乏症やウイルス感染の予防の意味合いがあったからなのですね。

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